◆YouTube◆ 「なぜ」VO : 高木 満寿美 Music Gallery 月夜の仔猫 PF : Noga

松田聖子

【Noga Rose Sheratzky】

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シャンソンという音楽には、どこか遠い世界の香りが漂う。サントワマミーなどの名曲を耳にしたことはあったけれど、実際にその世界に足を踏み入れたことはなかった。だが、高木ママのシャンソンを初めて聴いた瞬間、私は現実から切り離され、歌の物語の中へと吸い込まれていった。それはまるで、予定になかった魔法のような出来事だった。

高木ママの歌声と優雅な仕草に心を奪われ、気づけばまるで映画のワンシーンを観ているような感覚に包まれていた。シャンソンの小悪魔的な魅力、その遊び心に満ちた表現は、予想を超える衝撃だった。彼女の歌はただの音ではなく、物語を紡ぎ、情景を鮮やかに描き出す。聴きながら、私は空想に耽った。「高木ママはきっと、素敵な恋愛を経験したからこんなにも心を掴む歌を歌えるのだろう」と。そして、彼女の声の出し方、表現の深さに圧倒された。アマチュアとプロの違いをまざまざと見せつけられた瞬間だった。

私はまだ、歌を声に出すだけで精一杯だ。だが、高木ママは違う。彼女は歌いながら、歌手であり、女優でもある。洗練された仕草、喉の奥から響く鈴のような声が、時に甘く、時に切なく裏返り、私を魅了し続けた。シャンソンを体験できたことは、人生の宝物だと心から思う。

ある日、YouTubeで高木ママが歌う「なぜ」という曲に出会った。そのメロディに心を奪われ、「絶対にピアノで弾きたい!」と強く思った。私は楽譜が読めない。それでも、鍵盤を叩きながら音を探し、曲をなぞっていった。そんなとき、ふと大きな夢が湧き上がった。高木ママが歌い、私がピアノを奏でる――そんな光景が頭に浮かんだのだ。

思い切って高木ママに伝えた。「私がピアノを弾くから、歌ってください!」と。彼女は微笑みながら、「あぁ、また今度のライブでね」と答えた。だが、正直、不安もあった。日本語特有の曖昧なグレー表現に、私は何度も振り回されてきたからだ。「うん、嬉しい、ありがとう」と優しく言われても、それが本当の「Yes」なのか、ただの気遣いなのか、結果、いつも後で傷ついてきた。だから、ライブ当日も「もしまた曖昧なまま終わったら…」と悪い予感が頭をよぎった。

だが、高木ママの「Yes」は本物の「Yes」だった。ライブのアンコールで、夢は現実になった。リハーサルもなし、ぶっつけ本番。それなのに、まるでNHK紅白のトリを飾るような感動が生まれた。お客様も心を動かされ、会場は温かな空気に包まれた。芸術や感動は、予測できない瞬間に突然花開くものなのかもしれない。

私は高木ママの「なぜ」を追いかけながら、鍵盤を奏でていた。夢が現実になったこの曲を、世界中の人に聴いてほしい。そして、高木ママと私と、会場のお客様だけで共有した奇跡の瞬間を、Youtubeを通じて世界に伝えたい。何より、「Yes」が本当の「Yes」だったことを、世界中に知ってほしい。

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