◆YouTube◆ 浜田麻里ーReturn to Myself〜しない、しない、ナツ Music Video Short ver.

浜田麻里

【浜田麻里】

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今年4月にアルバム『Soar』をリリースした浜田麻里が、東京ガーデンシアター公演を含む、同作を引っ提げたツアー『The 40th Anniversary Tour “Soar”』をこの10月に完遂した。彼女がステージに立つのは、2019年4月19日に行われた日本武道館公演以来。各地ともチケットが即日完売したのは予想通りだったとはいえ、これはファンの期待感がいかに大きなものだったのかを改めて実感する現象でもあった。
 ツアー・タイトルでわかるように、2023年はデビュー40周年を迎えたタイミング。しかし、彼女はよくあるベスト・ヒット・コンサートのような内容ではなく、あくまでも『Soar』収録曲を軸にセットリストを組み上げ、信念を持って邁進し続ける今の姿を体現することに重きを置いていた。先行配信された「Tomorrow Never Dies」のアグレッシヴかつプログレッシヴなメタル・サウンドは象徴的だが、ヴァリエーション豊かな新曲群がいかに自身の進化を表したものであるのかは、アルバムに耳を傾ければ、瞬時に理解できるだろう。
 実際のパフォーマンスも圧巻としか言いようのない劇的なものだった。前々作『Mission』(2016年)を発表した頃、彼女は自らに課せられた“使命(Mission)”について各方面で口にしていたが、その哲学にも通じる意思はメッセージとして歌詞にも反映されている。現代社会において我々はどうあるべきなのか。「Noblesse Oblige」を始め、より具体性が増したような印象も受けた『Soar』に綴られたリリックが痛切にオーディエンスに訴えかけていく。
 彼女の声の特性として、しばしば超絶ハイトーン・ヴォイスが話題に上るが、多彩な表現力で魅了するシンガーであることもファンはよく知っている。今回のツアーで言えば、特に1991年発表のシングル曲「Paradox」のアコースティック・ヴァージョンは珠玉のパフォーマンスの一つだった。長年のバンド・メンバーである増崎孝司(g)が奏でるギターの調べと呼応しながら、この瞬間にしか成立し得ない二人のタイム感で聴かせた歌は、浜田麻里の描く深遠な世界観と共に、ヴォーカリストとしての唯一無二の存在感を十二分に堪能させたに違いない。そこにBOH(b)のフレットレス・ベースが絡み合い、他では聴くことのできない独自の即興演奏が繰り広げられた、「Last Leaf」での絶唱も見事だ。
 女性ロック・シンガーとして道なき道を切り拓いてきた浜田麻里の挑戦は、これからも続いていく。その次なる動きは、各地のMCにおいても示唆された『INCLINATION IV』の制作であろう。これは10年タームで自身が編纂するシリーズ・ベスト盤で、既発曲を元にしつつ、リミックス版、リレコーディング版、新曲なども収録されるファン待望の作品、その第4弾である。明言は避けつつも、最終日の札幌・カナモトホール(旧市民ホール)公演では、「その後にまたみなさんにお会いできる機会を設けたいなと思っている」という、次回のライヴ実現を想起させる嬉しい発言もあった。

 また、それに先駆けて2024年2月7日には、これまで発表されてきた15の映像作品がBlu-ray化されることもアナウンスされている。現在は入手困難になっているDVD版も多いようだが、コアなファンにとっては、デビュー20周年記念として本人の監修のもとに制作された、ロサンゼルスでのレコーディングやセッション・シーンなどのドキュメンタリー映像も含むMV集『Footsteps In 20 Years – Mari Hamada Video Clips collection -』には、「Forever」「Return to Myself~しない、しない、ナツ。」「Paradox」の3曲が追加収録されることになったのは注目点だろう。
その中でも、ビクターより再発される9タイトルに関しては、Blu-ray化に伴い、最新技術による映像のクリア化、サウンドのリマスタリングが施されている。
さらに本日、『Footsteps In 20 Years – Mari Hamada Video Clips collection -』にBonus Trackとして収録される「Return to Myself~しない、しない、ナツ。」のMusic Videoも発売に先駆けてYouTubeに公開された。

 絶大な歓声と喝采の中で盛大に終わったツアーの余韻は、今もオーディエンスの内面で明確に躍動しているはずである。浜田麻里とはそういうシンガーなのだ。今回のコンサートを締め括った「Stay Gold」を歌い始める前に、彼女は「逆境に陥っても、その悲しみを力に輝くことができる、人ってそんな生き物だと思います」「最後まで凛として生きたいものです」と述べた。紆余曲折のあるキャリアを重ねてきたがゆえに悟った人生観。来るべき時を意識しての言葉でもあるのだろう。あらゆる変革が求められる現代社会の中で、浜田麻里の心の奥底にある美しき熱情が、再び新たな光を帯びる日を待ちたい。
Text:土屋京輔

【作品情報】(9タイトル)
浜田麻里デビュー40周年記念
DVDカタログ9作品をBlu-rayで一挙再発
(2024年2月7日発売)

MISTY LADY(VHS発売1984年7月21日)オリコン19位にランクインした3rdアルバム「MISTY LADY」発売直後にリリースされたMV集。デビューから1年強を経過した若き日の”麻里ちゃん”が楽しめる作品。30分収録
Blu-ray:VIXL-431 ¥3,300(税込)

MAGICAL MYSTERY “MARI” 浜田麻里 LIVE ’85(VHS発売1985年6月21日)初のオリコントップ10入りを果たした4thアルバム「RAINBOW DREAM」発売後のツアーを収録したライヴ作品。浜田麻里初のライヴ映像作品。39分収録
Blu-ray:VIXL-432 ¥3,300(税込)
<収録曲>

BLUE REVOLUTION TOUR 浜田麻里 LIVE!(VHS発売1986年3月5日)代表曲となった1stシングル「Blue Revolution」を収録して発売されたシングルと同タイトルの5thアルバム発売後のツアーを収録。48分収録
Blu-ray:VIXL-433 ¥3,300(税込)

ONE NIGHT MAGIC Vol.1(VHS発売1988年3月9日)
1987年発売の7thアルバム発売後のツアーより、大阪厚生年金大ホールでの公演を収録。36分収録
Blu-ray:VIXL-434 ¥3,300(税込)

ONE NIGHT MAGIC Vol.2(VHS発売1988年3月9日)
1987年発売の7thアルバム発売後のツアーより、大阪厚生年金大ホールでの公演を収録。37分収録
Blu-ray:VIXL-435 ¥3,300(税込)

TO YOU – MARI HAMADA in BUDOKAN! -(VHS発売1989年11月8日)
オリコンNo.1アルバム「Return To Myself」発売後のツアーより、初の武道館公演を収録。57分収録
Blu-ray:VIXL-436 ¥3,300(税込)

HEART AND SOUL / RETURN TO MYSELF – L.A. Recording Score -(VHS発売1988年12月6日)
オリコントップ10シングル「Heart and Soul」、及び初のオリコンNo.1シングル「Return to Myself 〜しない、しない、ナツ。」等のMV集。45分収録
Blu-ray:VIXL-437 ¥3,300(税込)

Live History 1985〜1992
20周年を記念して浜田麻里監修で制作されたライヴ・ベスト作品。デビューから20年間の代表曲を網羅した作品。113分収録
Blu-ray:VIXL-438 ¥5,500(税込)

Footsteps In 20 Years – Mari Hamada Video Clips collection –
20周年を記念して浜田麻里監修で制作されたMV集。海外でのレコーディング、及びプロモーションの貴重なドキュメンタリー映像も収録されている。Blu-ray化に際して3曲のMVを追加収録、これによりデビューからの20年間に制作されたMVを完全収録。
Blu-ray:VIXL-439〜440 ¥9,900(税込)

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